悪くなる前に! 膝のケア、今すぐ始めよう
日常生活で予防できる「変形性膝関節症」
歩き始めや階段を下りるとき、膝に痛みを感じたり、ギシギシと音がすることがありませんか? これは「変形性膝関節症」という、膝が痛くなる病気。女性に多くみられる症状です。
膝はタイヤと同じで使えば使うほど軟骨がすり減っていきます。とくに日本人はO脚が多いので、膝の内側の軟骨が減って、さらにO脚となってしまいがちです。無理な使い方で膝に負担をかけすぎた人、ケガをした人なら、変形性膝関節症の症状が、25歳くらいから出てきてもおかしくないのです。症状が進行すると膝に水がたまり、膝が充分に伸びなくなったり、強い痛みを感じるようになります。
そうならないために、日常生活で気を付けられることがいくつかあります。
1. 太りすぎに注意。
膝には歩くだけでも体重の4倍、階段の上り下りでは7倍もの負担がかかります。つまり体重が1キロ増えたら、歩くときは4キロ、階段の上り下りでは7キロも負担が増えるのです。太りすぎは膝の大敵です。
2. 膝にかかる負担は軽く。
正座は腰にはいいのですが、膝には大きな負担がかかるのでよくありません。和式トイレも避けましょう。
3. 膝は冷やさない。
冷えは血行を悪くします。膝掛けなどをして膝を冷やさないようにしましょう。お風呂に入って血行をよくするのもいいでしょう。
4. 膝を傷めない。
段差につまずいたり、ころぶといった、少しのケガでも膝への負担は大きくなることがあります。ケガをしないように注意しましょう。
5. 脚の筋肉を鍛える。
脚の筋肉を鍛えると、膝への負担が少なくなります。意識的に脚の運動をしなければ、脚の筋肉は年齢とともに確実に弱くなっていきます。脚の筋肉が弱くなるとケガが多くなります。
さらに変形性膝関節症になってからでも、脚の筋肉を鍛えることで症状が回復したり、痛みが軽減できます
「膝の水を抜く」のは正しいこと
変形性膝関節症が進行し膝に水がたまったら、すぐに整形外科で診てもらい、必要であれば水を抜いてもらいましょう。よく「水を抜くとクセになり、水がたまりやすくなる」と、水を抜くことを拒む人がいますが、これには医学的根拠は全くないのです。むしろ水がたまると膝の動きが悪くなることで、脚の筋肉が弱くなり、さらに症状が悪化してしまうのです。水を抜けば膝の痛みが楽になるから、よく動くことができ結果として脚の筋肉が衰えることもありません。
たしかに一度水を抜くだけで、水がたまらなくなることは少ないため、また、膝に水がたまるでしょう。しかし、何度か抜いているうちに、徐々に水がたまらなくなっていきます。また水がたまるのは、変形性膝関節症だけでなく、リュウマチ、痛風などが原因のこともあります。それも抜いた水を調べればすぐにわかるのです。
また、膝の痛みや炎症をおさえる薬、血行をよくする薬などがあります。膝の痛みが気になるときは、悪化しないうちに一度整形外科で診てもらいましょう。