寄生虫の機能を新しい喘息の治療法に応用
蠕(ぜん)虫と呼ばれる寄生虫を用いて、喘息や枯草熱などの新しい治療法の開発の可能性が、英エジンバラ大学免疫機能・感染症研究所のMark S. Wilson氏らの研究によって明らかにされた。医学誌「Experimental Medicine」11月7日号に掲載された。
ヒトの免疫系は回虫や線虫などの蠕虫を認識することができないため、攻撃することができない。BBCニュースによれば、蠕虫はこれを排除しようとする免疫反応のスイッチを切る何らかの物質を放出しているものと考えられているという。研究者らは、蠕虫の生存にかけるこの戦略を模倣することにより、アレルギー反応を抑え、ワクチン接種や薬剤投与の必要性を軽減できる可能性を示している。
昨年(2004年)には、米国の科学者らが炎症性腸疾患(IBD)であるクローン病の予防に蠕虫が有用であることを報告している。