忍び寄る影、尿失禁!
シニアだけの悩みじゃない?尿失禁が若い女性に急増中!
ゴールデンウィークに加え、暖かくなりお出かけのチャンス到来!最近は、ライフスタイルの変化から女性の行動半径も広がりましたが、その半面、外で過ごす時間が増えた分生理的な現象(Nature call me!)も自宅にいるときより気を使うことも。出かけても何気なくお手洗いを探してしまい、また「念のために行っておこう」と、お手洗いを見つけるたびに行っているうちに、次第に回数も増えて・・・という方も多いでしょう。もしかしたら、それは膀胱に不調があるせいかもしれません。
女性を悩ませるものには月経痛や月経前緊張症などが多々ありますが、最近増えているのが頻尿や尿失禁。尿失禁というとシニアの悩みでしょ?という方も多いかもしれませんが若い方も悩ませ始めています。推定ですが約600万人の方(3〜4人に一人の割合)が悩んでおられ、20〜30歳代の方にも増えています。尿失禁とは「客観的に証明できる不随意な尿漏れであり社会的、衛生的にも問題になるもの」をいいます。尿失禁は大きく@腹圧性A切迫性、B@とAが混ざった混合性に分けられます。
すっきり気分で外出するために、恥ずかしからずに検診を!
腹圧性や切迫性と聞きなれない言葉でわかりにくいですが、治療法に違いがあるのでこの鑑別が大切です。
腹圧性は字のごとくおなかに力がかかるときに起こります。クシャミ、咳、重いものを持つなどちょっとしたことで起こります。骨盤底の筋肉が緩む・分娩後にも多く見られ、また肥満などでも起こります。
切迫性というのは排尿したい!という状態が起こると我慢できない状態を言います。酷い場合は水の流れるチョロチョロという音にも反応してしまうようです。
こうした症状は膀胱、尿道の筋肉、神経が弱っている場合に見られます。腹圧性は力が入って起こるもの、切迫性は行きたくなると我慢できなくなって起こるものと理解していただくのもいいかも知れません。(もちろん病院で相談して問診や検査で診断して説明してもらえます)腹圧性は手術で直すことができますが、腹圧性の場合は骨盤底の筋肉を鍛えることでも軽快するようなので肛門・膣などを締める運動なども有効です。また、Aの切迫性は薬が中心の治療になります。
どちらの場合も、外出する時には尿もれパットや下着の替えを持っていくと安心でき、ちょっとした予防につながるかもしれませんね。また、「頻繁にお手洗いに行くのは気が引ける・・・」と考える方もおられるかもしれませんが、普段からトイレを我慢しないように心がけましょう。
しょっちゅう膀胱炎に悩まされなかなか治らない!失禁も伴うので来院しました、という方がおられ、診察すると子宮筋腫や卵巣のう腫、子宮下垂などが隠れていることがあります。最近は抗生物質も市販分で効果の高いものも増えていますが、単純な膀胱炎、失禁だと恥ずかしい・・と片付けず、気になるようなら婦人科、泌尿器科受診してみられるのもいいでしょう。爽やかな初夏に向けてすっきりした気分でお出かけしましょう。