少量の運動でも定期的に行うことで健康増進効果
太り過ぎのいわゆる“カウチポテト族”にとって、「エクササイズ」という言葉は、気忙しいエアロビッククラスやランニング、ジムでの長時間のトレーニングを連想させ、試みる気持ちをくじかせてしまいがちになる。
しかし、最近の複数の研究で、例えばイヌとの散歩のような少量の運動でも健康増進になることが示されるようになってきており、こうした「連想」に変化をもたらし始めている。
最近の研究の事例としては:
過体重の133人を対象とした米デューク大学(ノースカロライナ州)の研究:1.6〜3.2kmの歩行を伴う中程度の運動を週に4〜5日行うことで、心臓の健康状態が改善した。
米フロリダ大学の研究:1日30分のウォーキングを週5日以上することで、中年「カウチポテト族」の心臓の健康を著しく改善した。
シアトルの研究:週1時間のガーデニングで心停止リスクが66%軽減し、週1時間のウォーキングで同リスクが73%軽減した。
米ノースウェスタン大学(イリノイ州)の研究:末梢動脈性疾患(PAD)の人も週3回のウォーキングで効果を得られた。
米ミズーリ大学コロンビア校の研究:過体重の人が毎日イヌの散歩をすることで、1年に平均6.3kg減量した。
米メイヨークリニック(フロリダ州)心臓病専門医で米国心臓協会(AHA)スポークスマンのGerald Fletcher博士は、定期的に運動することが重要だという。可能であるなら、毎日、同じ時間に運動することが望ましいと述べている。
ただし、定期的な運動を開始する際には、医師による事前のチェックが必要で、特に健康障害歴のある人にはより重要となる。許可が得られたら、あとは解しするだけ。同博士は「鍵となるのは、定期的な運動を小さな一歩から始めるということ。とにかく、何かをすれば何もしないよりもよいということを忘れないことが大事」と述べている。