長引く鼻風邪……!? アレルギー性鼻炎の疑いあり
アレルギー性鼻炎は現代人の生活スタイルへの警鐘!?
朝晩に鼻がムズムズすること、一週間。「アレ? ちょっと今回の鼻風邪はしつこいな」、そんなことってありませんか? もしかしたら、気付いていないだけで、それは花粉症かもしれません。
正確に言うと、特定の花粉をアレルゲン(症状を引き起こす原因物質)とした、季節性のアレルギー性鼻炎です。症状が軽ければ、鼻風邪と間違えてしまうこともあるのです。
花粉症は1シーズン症状が続くため、風邪よりも長い間患います。花粉症はスギ花粉ばかりではなく、初夏のカモガヤ、秋のブタクサ、ヨモギなどがあります。もしこの症状が1年中続く場合、それは通年性のアレルギー性鼻炎かもしれません。
アレルゲンの第一位はほこりやダニの死骸といったハウスダストと言われますが、そもそもアレルギー性鼻炎って一体何なのでしょうか?アレルギー性鼻炎とは、免疫機能が過敏に反応し、異物としてアレルゲンを排除しようとして出る症状。主に「鼻水」、「くしゃみ」、「鼻づまり」を発症します。
何をアレルゲンとするかは遺伝によって決定付けられているとも言われていますが、近年は小さな子どもを含めて患者は増えつつあります。その誘因として、昔と現代の環境の変化と食生活の欧米化が挙げられます。これによりアレルゲンを増やし、アレルゲンに対する体の反応を敏感にさせてしまっているのです。
かつての野菜中心の食生活が変わり、現代人はファーストフードや動物性たんぱく質を多く取るようになりました。そして、身の回りには有害物質の多い環境。たとえばマンションに住んでいて、機密性が高いうえに絨毯やソファーを置いてしまうと、ますます湿気がこもりやすく、ダニの増加とカビが生えやすい環境をつくってしまうことになります。また、日常受けるストレスも反応を敏感にする一因と言われています。
治療法は生活環境・食生活の改善から
疾患に気付いたら、早めに治療をしましょう。なぜなら、鼻はフィルター作用として、吸った空気に湿気や体温を加えて粉塵を除去し、体内にきれいでやさしい空気を送る働きがあるからです。
鼻での呼吸がしづらくなり口呼吸になると、外気を直接吸入してしまうため、のどや気管を痛める可能性があります。鼻での換気ができなくなったり、鼻粘膜の働きが妨げられると、蓄膿症や喉頭炎、咽頭炎を併発させる恐れもあります。
治療法としては、まず徹底的なアレルゲンの除去と、日常生活の改善など予防を心がけること。そしてバランスの取れた食生活をとることも大切です。簡単に治すことはできませんが、たとえば通気性のよい家、ストレスがない環境などに思い切ってすることは、ひとつの手です。
予防をしても症状の治まらない方は、耳鼻咽喉科で診察をしてもらいましょう。それぞれの患者さんの病状に応じ治療法や薬を選択するため、症状が安定しやすく、医師とも相談できるため、その人の希望や体にあう治療ができる利点があります。
また、投薬では十分効果が出ない人や、症状が強い人、薬が苦手という人には、レーザー治療や減感作療法という治療法もあります。レーザー治療は鼻づまり、鼻水、くしゃみという3つの症状のうち、主として鼻づまりを緩和させます。診療所でも手術を受けられ、保険適用もあります。また、減感差療法は世界で唯一認められている本格的な体質改善の治療方法です。
しかし、これは定期的に3年間注射を打ち続ける必要があるため、治療を続けることが難しいかもしれません。
鼻炎のわずらわしさをガマンしている人、どうか諦めないで!