カビ(真菌)とからだの関係
カビ(真菌)は悪者?
4年に一度の祭典サッカーワールドカップもはじまり、寝不足な毎日を皆さんも多いかも。開催国ドイツの清清しい晴天をみるにつけて、おお、日本では梅雨だった!ということを思い出しています。今年も半分がすぎ、気がつけば湿度も温度も上昇。何か食べようと思うと何気に黒いものが・・・すでにカビの発生は始まっているようです。
カビは体の色々な部位に常在し、日常は体の抵抗力で押さえ込まれています。体に存在している理由は完全にはわかってはいないのですが、カビにもいろんな種類があり、体表に存在することで皮膚を守っているのでは・・・などと言われています。カビといっても一概に悪いものではないのです。
一方で、 女性を悩ます膣炎の1位であるカンジダ膣炎も、カンジダ・アルビカンスという菌が原因で起こります。この菌は膣に常在しますが、ご存知のように免疫・抵抗力が落ちる、抗生物質の内服で発生します。とくに抗生物質を飲むと善玉のデーデルライン桿菌も消失気味となり、カンジダ膣炎を誘導しやすい環境になります。まれですがカンジダ膣炎を繰り返すということで色々調べるうちに糖尿病などが発覚するケースも。またステロイド剤の内服など長期内服を余儀なくされる方にも多くみられます。症状としてはカッテージチーズもしくはヨーグルト様のおりものに痒みを伴います。症状では典型的なカンジダ膣炎ではなくても潜在しているケースも見られます。
カンジダ膣炎は性病なの?
カンジダ膣炎で受診されて「これは性病でしょうか?」と尋ねられる方が意外に多いです。赤ちゃん、セックスの経験のない方にも発生しますのでセックス以外でも上記のような抵抗力の低下時には起こりえます。ただクラミジアなどに比べますと移る率は低いものの何%かはセックスでも移ることはありえます、罹患している可能性の高い方は気をつけていただいたほうが安心です。又、繰り返し罹患してしまうので癖になっているのでは?との質問もよく受けます。常在菌なので一時落ち着いても体調で再度出現することも珍しくはないです。
外来で診察させていただく印象として、やはり高温多湿な夏に向けてカンジダ膣炎の疑いで受診される方が増えています。市販のお薬も増えていますが、使っても中々かゆみが落ち着かなくて・・・もしくはおりものが変・・・という方はそれらを体のバロメーターにして、一度婦人科の受診をお勧めします。