「アガリクス茸」
私たちの身近にあり日常食べられているキノコは栄養価が高く、注目されている食品の一つです。そのなかでもTVや雑誌で話題となっているのが「アガリクス茸」。誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ブラジル生まれの幻のキノコ
アガリクス茸とは、学名を「アガリクス・ブラゼイ・ムリル」、和名を「カワリハラタケ」というマッシュルームに似たキノコの一種です。ブラジルのサンパウロ郊外ピエダーテの山中が原産で、そこでしか自生しないために長く「幻のキノコ」といわれてきました。1960年代、アメリカの科学者であるペンシルバニア州立大学のW.Jシンデン博士とランバート研究所のE.Bランバート博士らが率いる研究班がその地で暮す住民たちに成人病が極端に少なく長寿であることに着目し、常食としている「アガリクス茸」の存在を発見。自国に持ち帰り研究を開始しました。その結果アガリクス茸には他に類を見ない貴重な成分が多数含まれていることがわかり。その驚くべき食効を発表しました。
その後も様々な学者によって研究が進み、食効としての機能性の高さを示す研究成果が次々に発表されて世界的に注目を集め、認知が高まっていきました。
アガリクス茸には80種以上の栄養成分
現在は、環境の変化などにともない、ほとんど自生しておらず、ブラジルでも人工的な栽培によって収穫されています。日本においては、1993年、ある大手医薬品メーカーのグループ会社が安全性の高い栄養豊富な培地の開発により、安定栽培に成功。一挙に流通が拡大しました。アガリクス茸の流通量、研究開発の進捗状況では世界一といわれています。
研究の結果、アガリクス茸にはビタミンやミネラル、酵素など実に多くの栄養成分が含まれていることがわかりました。その数、実に80種類以上。
アガリクス茸の健康食品としての選び方
アガリクス茸は収穫後すぐに加工しないと成分が変わってしまうので、生の状態で目にすることはほとんどありません。一般的に乾燥されたものやエキスなど健康食品として販売されています。しかし、その種類は多く、迷われる方も多いのでは。そこでアガリクス茸選びのポイントをアドバイスします。
安全性は大丈夫か?
アガリクス茸が大きく育つためには、栄養豊富な土壌(栽培地)が必要です。しかし、重金属や化学成分などその土壌が汚れていては、それをそのままキノコが吸収してしまいます。ですので、しっかりと管理された状態で栽培されているアガリクス茸を選びましょう。国内産が比較的安全といえます。また、HACCPやISO、GMPなど国際的な安全基準に基づいていることも一つの目安となります。
子実体か?菌糸体か?
アガリクス茸を加工した商品には大きく分けて「子実体」を加工したものと、「菌糸体」を加工したものに分かれます。子実体とはキノコの実の部分、菌糸体は根っこにあたります。菌糸体は食物繊維などの成分は多く含まれますが、その他の成分はそんなに多くはありません。子実体は土壌から吸収した栄養素をしっかりと蓄えていますので、栄養がぎっしり。80種類以上の成分のうちほとんどが、この子実体に含まれています。