キッチンの食料品棚は薬の宝庫
「チョコレート2片、赤ワイン1口、魚の切り身を飲食して、明朝電話をください」という処方は、まんざら夢物語でもないようだ。複数の研究が、食卓に載る飲食物は真の治癒力を備えているとしている。
専門家が「健康(nutraceuticals)食品」や「機能性食品」と呼ぶ食品は:
・ダークチョコレート;米医学誌「Hypertension」6月号掲載の研究で、ダークチョコレートを1日約110g摂取した人の血圧が2週間で10ポイント低下し、インスリン感受性が改善した。米国栄養協会(ADA)スポークスウーマンのLona Sandon氏は「含有されているフラボノイドに効果がある」という。ただし、効果があるのは、ダークチョコレートだけなので注意が必要。
・赤ワイン;Sandon氏は「赤ワインに含まれるレスベラトロルというフラボノイドとタンニンがHDL(善玉)コレステロールを増加し、LDL(悪玉)コレステロールを減少する」と述べている。
・カレー;クルクミン(ターメリック)に癌(がん)細胞の増殖を抑制する効果があるとされる。インドで消化器系癌が比較的少ない理由といえそうだ。
・クランベリージュース;尿路感染予防法に良いとされる。
・緑茶;健康食品メーカーは緑茶パワーを褒め称えているが、Sandon氏は「癌リスクを軽減する作用に関してはまだ判定されていない」と述べる。
・ニンニク;初期研究は、ニンニクがコレステロールの蓄積やバクテリア/ウイルス感染を防ぐ可能性があるとしている。ただし、抗血液凝固薬の働きを阻害する可能性があるので注意が必要。
・魚;魚に含まれるオメガ-3脂肪酸は乳幼児の脳の発達を助け、コレステロール値の上昇を食い止め、血栓を予防する天然の抗血液凝固薬。
Sandon氏はただし、医師が治療薬を処方するにはそれなりの理由があり、例えばニンニクがその代わりになるとして、コレステロール低下薬を捨てたりしないように忠告している。