うつ病治療用パッチ剤をFDAが承認
初のうつ病治療用経皮パッチ、Emsamが米国食品医薬品局(FDA)により承認された。UPI通信によると、今回の承認は、二つの二重盲検プラセボ(偽薬)対照試験の結果に基づくもの。一方の試験では、6週間のEmsam投与によるうつ病治療効果がプラセボよりも高いことが示され、もう一方の8週間にわたる用量漸増試験でも効果が認められた。
Emsamは、1日1回の貼付によってモノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)セレギリンを経皮吸収させるもので、うつ病に関与していると考えられる3種類の神経伝達物質と相互作用するようにデザインされている。
FDAが「承認見込み」との通達を出してから最終承認までに2年かかっているが、MarketWatchによると、この遅れの背景には、サラミ、熟成チーズ、ビール、ワインなどチラミン含有量の高い飲食物との相互作用に対する懸念があった。
Emsamの有効成分セレギリンは、チラミンとの相互作用により急激な血圧上昇を引き起こす恐れがある。FDAは、24時間あたり9mgおよび12mgの高用量パッチを使用する患者には、チラミンを多く含む飲食物を避けるよう指導する必要があると述べている。6mgの低用量タイプを使用する場合は、食事制限は必要ないという。