新生児の泣きぐずりは親の抱きパターンと関連
新生児が過剰に泣いたり、夜寝なかったりするのは、親の抱く時間が影響することが、英ロンドン大学研究者のIan St. James-Roberts氏らの研究で明らかになった
今回の研究でSt. James-Roberts氏らは、生後数週間で3種類の異なる対応をした親275組を対象に、新生児の泣く状況や睡眠傾向を調査した。最初のグループは新生児に隣接し、午前8時〜午後8時の80%で子供を抱き、泣いた時には即座に対応した。2番目はロンドン在住のグループで、子供と最も距離を置き、抱いた平均時間は1日8.5時間だった。3番目はデンマーク在住グループで、両者の中間の対応をし、子供を抱いた時間は1日9.75時間だった。
最も長時間抱かれた隣接グループの新生児は、生後12週の時点で他の新生児に比較して夜の目覚めと泣きがより多かった。抱かれる時間が最も少ないグループの新生児は、生後2〜3週間の時点で他の新生児より激しく泣いた。この新生児は、生後10日と5週間で他の子供より1日に50%以上多くぐずった。両者の中間の対応をした親の新生児は、生後12週時点で最も泣かない新生児だった。
米医学誌「Pediatrics」2006年6月号掲載の今回の研究報告は、全般的には親が何をしようと新生児は多くの時間を泣いて過ごすとしている。そして、「なだめても効き目のない発作的な泣き方は、親の育て方には影響されない」とも述べている。
小児科医で米国小児科学会(AAP)の「Guide to Your Child’s Sleep」編集長のGeorge J. Cohen博士は、研究結果は納得できるものだが、特定の新生児や親を対象にしており、他のグループにも適用できるとは限らないという。
では、親はどうすればいいのだろう?Cohen博士は、新生児の睡眠パターンに応じて柔軟になることだと助言する。「親が犯す最も多い「間違い」は、正常なパターンの多様さを知らずに、その子には合わない睡眠パターンを押し付けようとすること。新生児はそれぞれ個性があるのだから、親の望む睡眠をしてくれなくても、自分を責めるべきではない」と述べている。