子宮頸癌(がん)ワクチンが米国で承認
子宮頸癌(がん)の主要な原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)感染症を予防するワクチンが、米国食品医薬品局(FDA)により承認された。HPVは米国で最もよくみられる性感染症で、子宮頸癌の原因の70%を占めているほか、前癌性性器病変や性器疣贅(ゆうぜい=いぼ)を生じる。
今回承認を受けたのはメルク社製のGardasilで、9〜26歳の女性に対し、6カ月にわたり3回注射する形で使用される。
米国疾病管理予防センター(CDC)の推定によると、米国で年間約6,200万人が性器のヒトパピローマウイルスに感染している。ほとんどの場合、合併症を来すことはないが、一部の症例ではHPVにより子宮頸部内の異常細胞増殖が促進され、最終的には癌化するという。米国では毎年9,710人が新たに子宮頸癌を発症し、3,700人が死亡している。
このワクチンは一般的でない種類のHPVに対する予防効果はないため、子宮頸部の前癌病変を早期に発見し治療するためには、依然として定期的なパパニコロー(Pap)検査が重要であるとFDAは強調している。