言葉の暴力は子供に悪影響
小ばかにする、恥ずかしい思いをさせる、脅かすなどの言動は、身体的、性的暴力と同様、子供に悪影響を及ぼすことが、米フロリダ州立大学の研究で明らかにされた。
米医学誌「Journal of Affective Disorders」に掲載された研究は、親からの言葉の虐待は抑うつや不安の原因となり、こうした症状は成人してからも続くとしている。
研究では、15〜54歳の5,600人を対象に、精神面に与える言葉の暴力の影響を評価した。被験者の30%が、子供時代に両親から、散発的かつ頻繁に言葉の虐待を受けたと答えた。研究著者で同大教授のNatalie Sachs-Ericsson氏は「言葉の暴力を受けた人は、受けなかった人に比較して、抑うつや不安が1.6倍多く、気分障害や不安障害では2倍多い」と述べている。
子供時代に受けた言葉の暴力で引き起こされた自尊心の低さは、成人しても続き、不安や抑うつ症状を居座らせてしまう。しかし、こうした被害者には治療が希望をつなぐことが期待される。Sachs-Ericsson氏は「自己批判をする人には、自分の不合理な考えを認識させ、合理的な考えと置き換えさせる認知行動療法が有効だ」と述べている。