学歴が父親としての資格に与える影響
男性は高学歴なほど良い父親になるとする、父権に関する米疾病管理予防センター(CDC)のレポートが先ごろ報告された。
CDCに属する国立健康統計センター(NCHS)の人口統計学者Gladys Martinez氏は「学歴の高い男性は子供が生まれるときは年齢が高くなっており、父親になる準備ができている」と解説する。
同氏らが実施した今回の調査では、15〜44歳の7,600人以上の女性と約5,000人の男性を対象に、2002年3月から2003年3月までにインタビューを実施し、データが収集された。
調査結果によると、米国男性の2,800万人が19歳未満で父親になり、そのうち4分の3がその子供と生活している。Martinez氏は「当然のことながら、ともに生活する父親は子供と一緒にすごす機会は多い。81%が毎日子供と遊んでおり、74%が食事をともにしている」と述べている。
同氏は、父権の全ての面で学歴が重要な鍵となるという。高校教育を受けなかった父親の半数は結婚せずに親になっているが、大学を卒業した父親ではわずか6%。また、教育レベルは子供とのかかわり方に関する予測材料にもなるという。高学歴な男性ほど、子供と一緒に活動することが多く、加えて、子供と離れて暮らしている父親では、高所得者の85%が定期的に子供の面倒を見ているのに対し、貧困レベル以下の父親では64%であった。
ワシントンD.C.を拠点とする団体「子供に対する親の行動」(Parents Action for Children)制作統括責任者のShelly Waters Boots氏は「今回の調査結果は、米国における父親の役割や父権に関して非常に楽観的な像を描いている。多くの父親が、親としての努めを果たしているのは明らかだ」という。
しかし、「米国では、親がどれだけ一生懸命子どもの面倒をみなければならないかといったクレジットはないし、またどれだけ面倒をみれば十分かというクレジットも与えられていない。高収入で、より柔軟になれる父親は積極的に父親業に取り組むことができるが、給料を持ち帰ること自体が大変な父親は、望むべく十分な父親業ができないでいる。父親にはもっと援助の手が差し伸べられるべきである」とBoots氏は述べている。