COPDは女性でより深刻
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の女性は、重症度や生活の質(QOL)の点で、同レベルの男性患者より状態の悪いことが米サウスフロリダ大学の研究で明らかにされた。COPDは、重篤な気腫や慢性気管支炎によって気道が常に閉塞していることで発症する疾患で、米国では死因の第4位となっている。
先ごろサンディエゴで開催された米国胸部学会(ATS)国際会議で発表された今回の研究は、COPDで重症度が同等の女性85人と男性95人を対象に行われた。
女性患者は男性よりはるかに低年齢で、肺機能が低く、呼吸が困難であり、また、QOLの質が悪いと訴えていた。さらには、COPD患者の重症度を測定し、生存性を予測するために、肺機能、栄養状態、症状、運動能力などの要因で測定するBODE指数が低かった。
研究者で同大医学部助教授のClaudia Cote博士は、女性患者が男性患者より状態が悪いのは、未診断、誤診、医療へのアクセス性の低さなどが理由となっているのではないかと述べている。2000年以降、米国のCOPDによる死亡者数は女性でより多く、2002年には男性の5万9,000人に対し、女性では6万1,000人以上だった。