ADHD治療薬による救急搬送が多発
注意欠陥・多動障害(ADHD)治療薬の服用後に救急搬送された小児が、2004年には2,500人に上り、その多くの原因が誤った過剰服用によるもの、とする米疾病予防対策センター(CDC)の研究が発表された。
米メディアの「Bloomberg」ニュースによると、研究は、救急処置を必要とした子供の25%が、胸痛、失神、発汗など心臓や血圧の重篤な事故を起こしているとしている。また、他人の薬を誤って服用したことによる事例も多い。
CDCのAdam Cohen氏は「医師は、神経刺激薬の過剰投与は、損傷の大きな原因になることを認識しなければならない」と述べる。同氏はCDCがこの種のデータを分析したのは今回が初めてであり、こうした問題が新たに発生しているのか、ここ数年でどれほど発生したかは明示できないとしている。
現在、約330万人の小児と150万人の成人がADHD治療薬を服用している。1999年〜2003年の米食品医薬品局(FDA)への報告では、25の死亡例に治療薬が関与し、うち19例が小児で発生していた。また、心臓発作や脳卒中など深刻な心臓に関連する障害が54例報告されている。
今回の研究結果は、米国の監督機関が医薬品上に突然死や心臓リスクの危険性をより明確に示す必要性を検討する中で発表された。