男性は日焼け防止の情報不足
米国では、日焼け防止を呼びかける雑誌広告の大半が女性向け出版物に掲載されており、男性に対する警告が行き届いていないことがわかった。米医学誌「American Journal of Health Promotion」5/6月号に掲載された調査によると、日焼け止めの広告783点のうち77%が女性誌に掲載されたものであったという。
米ボストン大学(マサチューセッツ州)医学部研究助教授Alan Geller氏らは、1997〜2002年の5〜9月に発行された24雑誌579冊について調査を行った。女性誌には1冊につき平均4点の日焼け止め製品の広告が掲載されていたのに対して、育児誌および家庭誌は1冊あたり平均1点未満で、主に男性に読まれるアウトドア誌および娯楽誌では6冊につき広告数1点未満であった。
Galler氏はこのほか、広告で日焼け止めの適切な使用方法を説明する必要があると指摘。男性は女性よりも日焼け防止に関する知識が少なく、極めて多くの人が日焼け止め製品を使用しているにも関わらず、日焼けを防止できていないという。広告は、製品の正しい使い方を広める絶好の場だとGeller氏は述べている。別の専門家も、ボート誌、テニス誌、ゴルフ誌などに広告を載せるべきと訴えている。
この研究結果は、子ども、男性および野外での娯楽活動をする人などの高リスク集団に向けた広告をさらに増やすとともに、製品販売側と皮膚癌(がん)予防推進側が連携して取り組んでいくことの必要性を示しているという。