うつ病の子供の睡眠障害は個別治療が必要
子供では、睡眠障害とうつ病を切り離して考えられないことが、医学誌「Sleep」1月1日号掲載の米ピッツバーグ大学(ペンシルバニア州)の研究で明らかにされた。睡眠障害のある子供は、ない子供に比較して、抑うつ傾向が強く、うつ症状や不安障害がより多いとしている。
研究は、抑うつ障害の子供553人を対象に行われ、被験者の約4分の3で睡眠障害が認められた。そのうち、53%は不眠症のみ、9%は過眠症のみ、10%は双方の障害があり、男児より女児で多かった。睡眠障害のある子供のうち、不眠と過眠の双方がある患者は、どちらか一方のみの患者より病歴が長く、うつ病が重篤で、体重の減少、疲労、その他の問題を抱えていた。
研究著者のXianchen Liu氏は「うつ病と睡眠障害の関連性はすでに理解されているが、我々は、うつ病の子供の睡眠障害が同一ではないことを明らかにした」と述べている。
また、「不眠症は最も一般的な障害だが、不眠と過眠の組み合わせは「二重障害」といえる。どちらか一方の子供に比較して、うつ病がより重篤であり、このことは、うつ病の子供には、睡眠障害の種類を慎重に訪ねる必要があることを意味している。また、個々の睡眠障害に合わせ、異なる治療を行うことも考えるべきだろう」という
専門家によると、必要な就寝時間は、学齢前の子供で11〜13時間、中高生でも10〜11時間だとしている。