弱視を改善する方法
弱視は、幼児期における視覚障害の原因として最も頻度の高いものである。
弱視は、いずれか片方の眼と脳が正常に機能しないことによって視力が低下する障害であり、小児100例中2〜3例の割合でみられる。
弱視を治療するには、視力の低下を来している方の眼を使わせることである。米国立眼研究所(NEI)によれば、それには下記の2通りの方法がある:
・視力の良い方の眼にアトロピンと呼ばれる薬剤を1日1回点眼し、視界を一時的にかすませ、弱視を来す方の眼を優先的に使わせる。
・少なくとも数週間、視力の良い方の眼に不透明な接着パッチを装着する。パッチの装着によって、アトロピン点眼と同じように視力低下をみる眼の視力が刺激され、視力を支配する脳の領域の発達を促す。
従来、眼科専門医の間では、高年齢の小児に弱視の治療を実施しても有益性はほとんど得られないと考えられていた。しかしNEIによれば、近年の臨床試験で、7〜17歳の弱視がみられる多くの小児が、低年齢の小児に高頻度に用いられる治療法によって有益性を得ることが明らかにされたという。