肥満者に多い胃腸障害は運動で軽減
運動と健康的な食生活が、胃痛や下痢、過敏性腸症候群(ISB)といった肥満に多くみられる胃腸障害を軽減する、という報告が、米医学誌「Clinical Gastroenterology and Hepatology」10月号に掲載された。
米ワシントン大学(シアトル)のRona L. Levy博士らが1,801人の男女を調べたところ、肥満であっても何らかの運動を行っている人は胃腸障害が少ないことがわかった。さらにBMI(肥満指数)が高いと、IBSや腹痛、下痢などの症状が多く、暴食は腹痛や便秘、腹部膨張感につながっていた。Levy博士は「健康な食生活と規則的な運動が、胃腸の健康維持によいということが証拠付けられた」と述べている。
今回の研究は、肥満の人が健康的な生活を維持し、胃腸関連の症状を防ぐことの利点を示した最初のもので、肥満治療、および肥満の人に多くみられる胃腸障害や症状の今後の治療に影響を与えるとみられる。
米国人の平均体重は過去20年間で約10%増加しており、成人の半数以上が過体重(BMI 25以上)、成人の3分の1近くが肥満(BMI 30以上)である。Levy博士は、肥満の人にとって運動することは、単に胃腸症状を軽減する可能性があるだけでなく、「普通の生活をするか、いつも不愉快な症状を抱えた生活をするかの違い」を意味すると述べている。