乳児の湿疹は皮膚疾患の前触れ
腕や関節周辺に湿疹のある乳児は、3歳までにアトピー性皮膚炎を発症する可能性の高いことが、デンマークの研究で明らかにされた。再発性の皮膚鱗屑(皮膚がはがれること)、発赤、かゆみなどはアトピー性皮膚炎の症状であり、多くの場合、喘息やアレルギーの家族歴を伴う。
コペンハーゲン大学病院の研究者らは、喘息の既往歴のある母親(うち48%がアトピー性皮膚炎の既往をもつ)から生まれた乳児411人を対象に、生後1カ月とその後6カ月毎に、また、皮膚や呼吸器の症状が悪化した場合に検査を行った。
乳児411人中、調査期間を満了した356人のうち、155人(44%)が3歳までにアトピー性皮膚炎を発症した。最も罹患しやすい年齢は、女児は2歳半、男児は2歳であった。
アトピー性皮膚炎を発症した乳児の湿疹は、頭皮、額、首、頬から始まり、脚の前面、腕の裏に広がり、その後顔と胴体へ、そして最終的に脚の裏と腕の前面に広がることが多かった。また研究では、早期の腕および関節周辺の発赤が、後に皮膚疾患へ進展する最も明確な予測因子であることが明らかになった。おむつ部分の早期湿疹と後のアトピー性皮膚炎の関係は認められなかった。
研究は、米医学誌「Archives of Dermatology」5月号に掲載された。