中高年のヘルスクラブ会員が急増
かつてのヘルス(フィットネス)クラブは、若者やスタイルの良い人たちが、汗を少しかき、見られることを誇りに思うような場所だった。しかし最近は中高齢者の姿が増えており、ベビーブーマ(団塊)世代の人口が高齢化するにつれこの傾向は加速すると予測されている。
ヘルスクラブ普及団体の国際ヘルス・ラケット・スポーツクラブ協会(IHRSA)によると、スポーツジムやヘルスクラブの会員で、55歳以上の人は最も増加率の高い年齢層で、全会員の4分の1を占める。IHRSAスポークスウーマンのRosemary Lavery氏は「55歳以上の会員は1987年には150万人だったが、2003年には680万人になり、2004年には1,020万人にまで増加した」と述べる。
Lavery氏は「ベビーブーマ世代が人口の大きなセグメントであることは明らかで、彼らは年齢を重ねるにつれ、健康を維持しようと強く思うようになる。ヘルスクラブでの運動は、病気の良い予防手段だ」という。つまり、運動の目的は、割れた腹筋や引き締まった太ももをつくるのではなく、筋力を維持させながら骨粗鬆(しょう)症や心疾患など加齢に伴う疾患を跳ね除けることだ。
高齢化する会員の手助けをするため、多くのヘルスクラブが中高年をターゲットにしたプログラム作りを始めている。世界中でチェーン展開するヘルスクラブのCurvesは、未経験の女性を対象に「周り人のほとんどは初心者で、その多くが体重を落とそうとしている。スーパースタイルの人と時間や場所を共有するプレッシャーはない」とアピールしている。また、65歳以上の人なら、シルバースニーカー・プログラム(SilverSneakers Program)という選択肢もある。
しかし、米国運動協議会(ACE)運動生理学者のFabio Comana氏は、しばらく動かない生活をしていた人は、ヘルスクラブに行く前にいくつかの段階を経る必要があるという。「6カ月〜1年の間、座りがちの生活を送った人は、まず医師に相談し、次に自分の運動レベルを現実的に評価。その後、自分の目的に合ったヘルスクラブやプログラムを選択するのが望ましい」ようだ。