コラーゲンとお肌の関係
コラーゲンとは何?
コラーゲンは私たちの体を構成するタンパク質のひとつで、ゼラチンやゼリーの仲間です。たとえば魚の煮こごりがありますが、あのゼリー状のものがコラーゲンなのです。人体では、体重の20%がタンパク質で、そのタンパク質の約3分の1がコラーゲン。体重50キロの人なら、3キロはコラーゲンだというわけです。コラーゲンは線維芽細胞や軟骨細胞など、特殊な細胞の中でアミノ酸から作られ、細胞の外へ分泌されて、体の必要な場所で働きます。なかでも皮膚や骨、腱などの結合組織に多く含まれており、細胞や組織をつなぐ接着剤として、あるいは弾力材や潤滑油のような働きをしています。特に皮膚の表皮の下にある真皮の90%はコラーゲンで、その質や量はお肌の老化とも深い関係にあるのです。
美容にどんな効果があるの?
お肌のハリやツヤが年齢とともに失われていくのは、体内のコラーゲン量の減少が原因のひとつです。若い頃はコラーゲンをつくる能力も高いのですが、30代をピークに、40代からはコラーゲン合成能力もグンと低下してしまうため、急にツヤや弾力がなくなってしまうのです。ちなみに40歳では、コラーゲン量は17〜18歳頃の半分以下になるといわれています。また、コラーゲンは繊維状の細長い形をしていますが、互いの分子間に橋をかけてつながり、線維を安定させています。ところが、加齢とともにコラーゲンの代謝スピードが遅くなると、異常な橋かけが多くなり、これが分子間の結合を固くします。すると古いコラーゲンを分解して新しいコラーゲンをつくり出すという代謝機能がさらに低下し、悪循環におちいってしまうのです。コラーゲンは私たちの体の中で、酸素や栄養成分を供給し、老廃物の除去をしてくれますから、こうしたコラーゲンの代謝機能の衰えは、皮膚の真皮にあきらかなダメージを与えることになります。深いシワやクスミ、色素沈着(シミ)などは、真皮のダメージ・サインです。さらに、コラーゲンの減少とともに、保水力をささえるムコ多糖という成分も少なくなるため、肌のうるおいや弾力性も失われていくのです。真皮をダメージから守るためには、コラーゲン合成を活性化させることが大切だといえます。
効果的な摂り方は?
コラーゲンは肉や魚に多く含まれているタンパク質ですから、毎日、欠かさず食卓にのせるよう心がけましょう。食品としては、鶏肉なら手羽やガラ、砂肝、レバー、豚肉なら挽肉や豚足、スペアリブなど。また牛スジや、カレイ、フカヒレ、どじょう、エビなどにも多く含まれます。効率よく摂るには、ガラや魚をまるごと煮込んで、煮汁や煮こごりをいっしょに食べるといいでしょう。
またビタミンCと鉄分をいっしょに摂ることで、体内でのコラーゲン合成を助け、その働きをレベルアップすることができるので、これらもバランスよく摂りたいものです。ふだんの食生活で不足するようであれば、サプリメントで補給するといいでしょう。