高齢で身長が縮む男性は死亡リスクが高い
加齢に伴い身長が著しく短縮した男性は、心疾患および死亡リスクが高いことを示した英国の研究が、米医学誌「Archives of Internal Medicine」12月11/25日号に掲載された。
男性4,213人(研究終了時60〜79歳)を対象とした20年にわたる研究の結果、身長が3cm以上縮んだ男性は、縮みが1cm未満であった男性に比べて死亡リスクが64%高く、冠動脈性心疾患イベントが生じるリスクも高いことがわかった。
3cm以上身長が短縮した男性にみられた死亡数の増大は、大部分が心血管疾患、呼吸器疾患をはじめとする非癌(がん)性の疾患によるものであった。
英ロンドン大学の研究グループによると、身長短縮と疾患および死亡のリスク増大との関係は明らかにされていない。身長短縮をもたらす骨量低下と、心疾患その他の疾患との両方を引き起こす、何らかの機序が根底に存在する可能性もあるという。
男女ともに、加齢に伴い、骨、筋肉および関節の変化により身長が短縮する人は多い。短縮が小さければ問題はないが、大幅な短縮は骨粗鬆(しょう)症のサインの場合もある。また、身長が大きく縮むと、呼吸や消化に障害が生じる原因となり、食習慣の悪化や体重低下を招くという。