痔(じ)にならないために
痔(じ)は、肛門の中および周辺の血管が拡張することにより、出血や不快感をもたらす疾患である。
米国直腸結腸外科学会(ASCRS)によると、痔は妊娠、慢性の便秘や下痢、下剤の乱用および排便時のいきみなど、さまざまな因子により引き起こされるという。また、年齢や遺伝も痔の発症に寄与している。症状には、排便時の出血、かゆみ、肛門周辺にできる痛みを伴うこぶ(痔核)などがある。
ASCRSでは、痔の予防ないし軽減のために、果物、野菜、全粒穀物などの形で繊維質を豊富に摂取するよう食生活を改めるほか、水分を十分に摂ることを勧めている。何も入れない温水の風呂に約10分間つかることにより、かゆみや灼熱(しゃくねつ)感を緩和させることができる。軟膏などの市販薬も効果があるという。