プラスチック製品などに含まれる化学物質が男児生殖器の発育を阻害
San Francisco Chronicle紙によると、ビニール製品や他のプラスチック製品によく用いられるフタル酸エステルが、男子乳幼児の生殖器の発育を阻害する可能性があることが、米ロチェスター大学の研究により明らかにされた。
フタル酸エステルは、香料や石鹸、化粧品類、塗料、錠剤のコーティーングなどにも用いられている化学物質。母体の尿中フタル酸エステル濃度が著しく高値を示した男児のうち、21%が精巣下降不全や小陰茎などの合併症を来していた。
EU(欧州連合)はすでにフタル酸エステルの使用を禁止しており、化学産業界からは異議が唱えられているものの、米カルフォルニア州議会が規制について審議中であるという。
担当の研究者らによれば、今回の試験で対象としたのは3〜24カ月齢の乳幼児134例で、比較的小規模であることから、被験者を拡大して研究を進める意向であるという。
この研究結果は、米国立環境健康科学研究所(NIEHS)発行の「Environmental Health Perspectives」5月27日付オンライン版に掲載された。