代替医療を受けていることを主治医に告げる
補完・代替医療の人気が高まっており、米国成人の3分の1は、一度はこうした医療を用いたことがあるという。補完医療は従来の医療と組み合わせて用いるもの、代替医療は従来の医療の代わりに用いるものを指す。幅広い治療法や製品があるが、中でもホメオパシー(同種療法)やカイロプラクティック、栄養補助食品(サプリメント)、アロマセラピー、マッサージ療法が人気である。
しかし補完・代替医療を用いる人の多くは、たいして重要でないと思ったり、単に忘れていたり、医師が許可しないと思い込んだりして、受療していることをプライマリーケア医(家庭医など)に話していないと思われる。
米スクリップス統合医学センター(カリフォルニア州)のRobert Bonakdar博士は、医師に話すことが必須だという。「医師は患者が用いているすべての治療法を知ることが重要。最大限の情報を示すことで最大限の治療が可能となる」という。他の専門家も「患者にできるベストのことは、用いている治療法を医師に正直に話すこと」だと述べている。
話をする場合、患者はその医師に補完・代替医療の十分な知識や経験はないことも前提すべきだという。最近はこうした療法に偏見のない医師も増えているが、たいていの医師は、特に高齢の場合、医学部で代替・補完医療を学んでいない。
米医学誌「Archives of Internal Medicine」に掲載された調査結果では、質問を受けた医師302人の84%は、患者の質問や心配に適切に答えるには補完・代替医療についてもっと知る必要があると回答している。患者はまず「代替医療などの治療法に興味があるのですが、どうでしょう?」と率直に話を持っていき、医師としての視点でどう考えるか、効きそうな証拠があるかどうかなどを話し合うべきだという。
できるだけ多くの資料を医師に提供することも重要で、栄養補助食品なら、その瓶を持っていき、医師に正確な用量や処方、製造元を見てもらうようとよい。補完医療と従来の医療の混合は危険を伴うことも患者は承知しておくべきである。ある種の栄養補助食品は、抗血液凝固薬との併用で悪影響を及ぼすという。
医師の同意が得られない場合は、別の医師を探す道もあるし、自分の決意について医師の考えを変えていくように努力を続ける道もある。薬剤師など、代替医療についての知識のある人に相談するのもよい。