乳癌(がん)の生存率向上に診断時の腫瘍サイズが影響
過去30年間で乳癌(がん)の生存率が向上しているが、これは診断がついた時点での腫瘍サイズが小さくなってきている点が大きく影響しており、この傾向を考慮しないと、乳癌治療の進歩を過大評価してしまうという。
米医学誌「Cancer」9月15日号に掲載のこの研究は,乳癌の腫瘍サイズと、その生存率への影響をみるため、癌登録システムである米国SEER(Surveillance, Epidemiology and End Results)プログラムのデータを解析したもの。
その結果、新たに診断された乳癌の腫瘍サイズは1975〜1999年の間に有意に小さくなっていることがわかった。さらに1995〜1999年に乳癌と診断された場合の5年生存率を、1975〜1979年に診断された場合と比較したところ、限局性乳癌で61%、局所乳癌で28%生存率が上昇したが、これは診断時の腫瘍サイズが小さくなったことで説明されるという。
著者らは,診断時の腫瘍サイズの変化を組み入れないと、治療効果を過大に見積もってしまうと結論づけている。