男女平等で性生活も充実
男女の地位に格差がないと性生活が向上するという調査結果が、性行動専門術誌「Archives of Sexual Behavior」4月号に掲載された。
29カ国で40〜80歳の2万7,500人を対象に調査した結果、西欧諸国に暮らす男女は性生活の満足度が高かったのに対し、東アジアや中東など、男性が女性より高い地位に立つ国では、性生活にも不平等感があることがわかった。満足度は、オーストリア、米国、スペインおよびカナダで最も高く、日本および台湾で最も低かった。トルコ、エジプトおよびアルジェリアなどは中間にランクされた。
研究を行なった米シカゴ大学社会学教授のEdward Laumann氏によると、男性中心の文化では、性行為は繁殖目的の色合いが強く、女性が快楽を得ることの重要性が軽視されがちであるのに対し、平等な関係をもつ男女では双方の要求を満たす性的習慣をもつことが多いという。
今回の研究でわかったことは以下のとおり:
・西欧諸国では、3分の2の男女が性的関係に満足していると回答し、80%が自分の性的能力に満足していると答えた。男性の約半数、女性の3分の1が、生活の中でセックスはきわめて重要だと答えている。
・東アジア諸国では、性生活に満足していると答えた男女は約4分の1で、自分の性的能力に満足していると答えたのは男性の3分の2、女性の半数であった。自分にとってセックスが重要だと答えた男性は28%、女性は12%であった。
・中東では、性生活に満足していると回答したのは男性50%、女性38%で、約70%が自分の性的能力に満足していると答えた。セックスが重要だと考える男性は60%、女性は37%であった。