更年期女性をドライアイが襲う
高齢女性の62%がドライアイを経験しているが、ドライアイに閉経が関連していることを認識している人はわずか16%であることが、米国の女性健康研究学会(SWHR)が304人の閉経後および閉経期の女性を対象にした調査で明らかになった。
調査結果によると、ドライアイを経験した女性のうち59%が医師に相談しており、治療法としては、58%が症状緩和目的で市販の点眼薬を使用していた。SWHR会長のPhyllis E. Greenberger氏は「閉経によるホルモン値の変化がドライアイに関与している」と述べている。ドライアイリスクは加齢とともに上昇し、人口の高齢化により罹患者も増加傾向にある。男性に比べ女性で2〜3倍多い。
米アーカンソー大学メディカルサイエンス(UAMS、アーカンソー州)眼科学教授のLaurie Barber博士は「ドライアイは加齢の過程で発生する複雑な進行性の疾患で、原因や関連因子は多い。放置しておくと、視力障害が生じて日常生活にも影響する」と述べる。治療法には人工涙液、処方薬治療、手術がある。
米ハーバード大学医学部眼科学(マサチューセッツ州)のJeffery P. Gilbard博士は、ドライアイ治療に特化した点眼薬とサプリメント(栄養補助食品)を開発しており、点眼薬の使用と、炎症に対抗して涙液分泌を増加させるオメガ-3脂肪酸の摂取量を増やすのが理想的な治療だという。オメガ-3脂肪酸は、サバ、ニシン、イワシ、ビンナガマグロ、サケなどに含まれる。