ベビー用安全器具の利用は不十分
ベビーゲートや浴槽温度計など、乳幼児用の安全器具を使用する親は25%にも満たず、その責任の一端が医師にもあることが、先ごろサンフランシスコで開催された米国小児科学会(PAS)で明らかにされた。
研究著者で米シンシナティ小児病院医療センター(オハイオ州)小児救急医療のWinnie Whitaker博士らのチームは、安全器具について医師の助言を受けた時間が5分未満だと報告した140人の親を対象に調査を実施した。助言の平均時間は3.7分だった。
医師と親との話し合いに費やされた時間は、煙探知機の54%やチャイルドシートの75%に比較し、窓の監視装置、ベビーゲートや浴槽温度計では35%未満だった。Whitaker博士は「なじみの少ない器具よりも、親が通常使用するものにより時間が割かれている」と述べている。
米国では、毎年1,040万人の小児が家庭内の事故で緊急搬送される。非致死性の事故のうち半数が落下によるもので、その多くは階段に保護措置がされていなかった。階段はベビーゲートで容易にブロックできる。さらに、毎年2万4,000人近くの小児が、熱い液体や蒸気による熱傷で治療を受けている。専門家は、親は乳幼児に心地よい温度(約32℃)にするために、浴槽温度計を利用すべきだという。
Whitaker博士は「プライマリケア医は、乳幼児の不要な救急室への搬送を避けるために、勧められる全ての安全器具について親と十分話し合うべきである」と述べている。