冠動脈バイパス術後の死亡率の男女差に体のサイズが関係
冠動脈バイパス術(CABG)後の死亡率は、女性が男性の約2倍であり、その原因は男性に比べ女性の体のサイズが小さいためであるとする報告が、8月30日発行の米国医学誌「Circulation」心血管手術年次付録に掲載された。
米シカゴ大学(イリノイ州)のRon Blankstein博士らは、1999〜2000年に米国中西部の31病院で行われた1万5,440例(うち女性5,023例、平均年齢66歳)の手術について調べた。その結果、CABG後の死亡率は女性4.24%に対し、男性2.23%であった。他の危険因子(リスクファクター)を含めて調整した後も、患者の身長と体重から算出した体表面積が、女性での高い死亡率を説明するのに役立ったという。
Blankstein博士は「他のいずれの危険因子よりも、体表面積つまり体のサイズがバイパス術後の死亡率を予測する上で重要な独立因子となる」と述べ、体が小さいほど冠動脈も小さく、手術が技術的に難しくなると仮説を立てている。