病院のコンピューターキーボードには病原菌がいっぱい
コンピューターユーザーが恐れるべき微生物は、コンピューターウイルスだけではない。医師、看護師などの医療従事者は、患者の診察中に検査結果を表示したり検査の依頼をしたりと、コンピューターを使ってさまざまな作業を行なっているが、キーボードから医師らの手を介して患者に病原菌が伝播されるリスクがあるという。
米ノースカロライナ大学(UCN)チャペルヒル校医学部教授William A. Rutala博士らは、同大学病院内のさまざまな場所に置かれた25カ所のコンピューターキーボードから標本を採取した。この結果、いずれのキーボードも2種類以上の細菌に汚染されていることがわかった。入院患者の血流感染症の主な原因であるコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CoNS)については、すべてのキーボードから見つかり、このほか13種類の細菌が見つかったという。
さらに研究グループは、さまざまなタイプの殺菌用ティッシュでキーボードを清浄するテストを実施した。イソプロピルアルコール系、塩素系のほか、滅菌水で湿らせたペーパータオルなどを用いた結果、いずれも細菌の95〜100%を除菌または不活性化させることができた。
治療エリア内にあるコンピューターのキーボードやキーボードカバーはすべて毎日定期的に、また見た目が汚れていればその都度殺菌し、複数の患者が利用する携帯型コンピューターは、一人が使用する度に殺菌すべきとのこと。