研究参加への同意書内容は難解
多くの研究同意書の文面が、多くの人にとって読んで理解するには難しすぎることが、米ミシガン大学(ミシガン州)ヘルスシステム教授で麻酔学部門臨床研究部長のAlan Tait博士らの研究で明らかになり、小児医学誌「Archives of Pediatrics and Adolescent Medicine」4月号に掲載された。
研究に参加する際のインフォームド・コンセント(説明に基づく同意)の書類は、推奨される8学年生(※中学2年相当)の読解レベルよりも上のレベルで書かれており、平均的な人にとっては理解が難しいとTait博士は述べる。もし文面が理解できなかった場合、リスクや利益を誤解し、投薬レジメン(処方計画)や追跡研究のための通院について理解していなかったり、情報を誤解すると、患者や家族を危険に陥らせかねないという。
この研究では、緊急を要さない簡単な手術を受ける子供の親305人を対象に調査が行われた。親たちに研究同意書を渡し、自分の子供がその研究に参加すると仮定して内容を考慮するよう依頼したもので、一群には標準の同意書を、他群には図を含み、簡単な表現を用い、太字や下線その他で重要な部分を強調した改訂版を用いた。
面接により同意書の理解度を調べたところ、改訂版を読んだ群のほうで理解度が高く、特にリスクと利益の部分についてよく理解していた。その後、すべての親に両方の同意書をみせたところ、81%が改訂版のほうがよいと答えた。
「同意書は普通の人の読解能力に合わせたレベルで書かれ、容易に理解できる形式で提示されていることが必須」だとTait博士は述べている。