耳鳴りはタイプにより重症度、症状が異なる
耳鳴りは、その臨床的特徴により患者の間でもさまざまに異なることが、ドイツ、マインツ大学およびローゼンエック行動科学センター(プリーン)による研究で示され、医学誌「Archives of Otolaryngology-Head & Neck Surgery」12月号に掲載された。耳鳴りは、両耳または片耳の中で不快な音を感じる症状で、疾患が原因となるものもあれば原因不明のものも存在する。さらに、連続的、断続的なもの、慢性と急性がある。
患者4,900人以上を対象とした今回の研究では、8%以上が自分の症状をグレードI(耳鳴りの音が弱い)、約60%がグレードII(音が中程度)、約32%がグレードIII(音が強い)と評価した。耳鳴りの苦痛の程度については、約39%が軽い苦痛、約24%がひどい苦痛、約13%が極めてひどい苦痛を感じると回答した。
グレードIではほとんどが苦痛は軽いと述べており、グレードIIでは回答が分かれた。グレードIIIでは約3分の2がひどい苦痛または極めてひどい苦痛を感じていた。これは、耳鳴りの音の大きさと苦痛との間に中等度の相関関係があることを示している。
性差、年齢別に見ると、特に男性、高齢者において、両耳および頭の中で感じる耳鳴り、症状が現れてから強さが増していく耳鳴り、外部の大きな音への過敏、連続性の耳鳴り、難聴やめまい、聴覚過敏を伴う耳鳴りの重症度が高かった。さらに理解を深めるためには、耳鳴りの音の大きさおよび苦痛の程度の決定因子を探る研究が必要だと研究グループは述べている。