睡眠不足は高血圧のリスクを増大させる
夜間の睡眠時間が5時間以下の中高年者は高血圧のリスクが高いことが、米国で32〜59歳の4,800人を対象に8〜10年追跡した研究により判明した。7〜8時間睡眠を取る人の高血圧発症率が12%であったのに対し、5時間以下の人では24%であった。
米コロンビア大学メールマン公衆衛生学部精神医学疫学研究員のJames E. Gangwisch氏によると、「睡眠を取ることで心拍数が低下し、1日のかなりの時間、血圧を降下させることができる」という。しかし、睡眠時間の短い人は血圧および心拍数の24時間平均が高くなり、これが心血管系の負担を大きくする原因となる。
この研究ではさらに、睡眠時間が5時間以下の人は運動量が少なく、肥満度を示すBMI(body mass index)が高い傾向があることもわかった。糖尿病およびうつ病も多くみられ、日中の眠気を訴えることも多いという。
この知見は、米医学誌「Hypertension」に掲載された。