クローン牛由来の酪農製品は普通のウシと同じ
ワシントンポスト紙によると、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences」4月13日オンライン版掲載の米国および日本の研究で、クローン牛由来の牛乳および牛肉が、普通に生まれたウシのものと全く同じであることが示された。
研究者らが1000を超える試料を対象に、その化学成分をクローン牛と従来どおりに生まれたホルスタインで比較したところ、酪農業界が日常的にモニターしている蛋白質、脂肪、乳糖、抗体その他の構成成分濃度に有意な差異は見られなかった。
しかし、科学的データの不足もあり、この知見がきっかけとなって全米人道協会(HSUS)のような団体がクローン由来の酪農製品の禁止や社会全体としてのあり方の再検討を求めるなど、米国政府による許可をめぐっての議論が激化する可能性が指摘されている。