新米ママの多くは疲れている
新しく母親になった女性の多くが出産後5週間の時点で、出産方法と育児で疲労し、乳房(前胸部)不快感や性欲減退などの問題を抱えていることが、米医学誌「Annals of Family Medicine」3/4月号掲載の研究で明らかにされた。
米ミネソタ大学公衆衛生学部環境健康学準教授のPat McGovern氏らの研究グループは、出産後5週間を経過した女性700人を対象に聞き取り調査を実施。被験者はほとんどが白人の既婚女性で、半数が大学教育を受けており、平均年齢は約30歳だった。
調査の結果、3人に2人が疲労を訴え、60%が乳房(前胸部)不快感、52%が性欲減退を報告した。また50%が乳首の痛みや炎症、頭痛を、43%が背中や首の痛みを訴えた。さらに帝王切開による出産や授乳している女性では、より多くの出産後症状が認められた。授乳に関しては乳首の痛みなどの因子を除いても疲労が認められ、原因として授乳児は消化が早く、より頻繁に授乳させる必要性から母親に負担がかかるためと見られる。
McGovern氏は、家族医療休暇法(FMLA)では、従業員数が50人を超える企業では、出産時に無給休暇を12週間与えることになっているが、多くの女性は無給休暇を取る余裕はないと説明する。調査によると、仕事を持つ母親の76%が出産後1年以内に、41%が3カ月以内に、6人に1人が1カ月以内に職場復帰している。
Nyack Hospital(ニューヨーク州)産婦人科医長の Nicholas Klein博士は「出産直後の女性は多くのサポートを必要としており、米国に比べ出産後の援助や産休が豊富に与えられている国がある」と述べている。
McGovern氏は「職場復帰する女性の 置かれている状況が個々により異なるため、復帰の“理想的な”時期というものはないが、今回の研究では、出産後4〜6週間以上の休息と回復期間の必要性が示唆されるとともに、女性へのさらなるサポートの必要性が浮き彫りになった」と述べる。さらに出産後に起こることを予測できるよう妊娠女性の教育と、職場のより柔軟な対応を求めている。