尿失禁のある女性はうつ病のリスクが2倍に
尿失禁がある女性では、尿失禁のない女性に比較してうつ病リスクが2倍高く、年配者に比べ若年女性でその傾向のより強いことが、カナダの研究で明らかにされた。
米医学誌「Psychosomatics」4月号掲載の研究では、18歳以上の非妊娠女性6万9,000人を対象に実施されたカナダ地域健康サーベイランス(CCHS)のデータが分析された。
うつ病罹患率は、尿失禁がある女性の15.5%に対し、尿失禁のない女性では9.2%。尿失禁のある18〜44歳女性でのうつ病罹患率は30%だった。また、尿失禁とうつ病の双方がある場合では、ストレス、欠勤、通院の増加などのさまざまな影響が認められた。
研究著者でトロント大学女性健康講座のDonna E. Stewart博士は、今回の研究では尿失禁の重症度は評価しておらず、また、尿失禁を「医師に診断された慢性的な状態」と定義したため、報告されなかった事例のあることが疑われるとしている。女性の多くは尿失禁としてではなく、尿滴下、尿漏れ、膀胱制御不能として診察を受けているようだ。
Stewart博士は、尿失禁と診断されていないの女性での、尿失禁とうつ病の関連性を検討する追加研究を継続中である。