髪の脱色剤が美容師の喘息の原因に
髪の脱色(ヘアブリーチ)に使われる過硫酸塩という化学物質に曝露されるため、美容師は職業病として喘息や鼻炎(慢性的な鼻水)を生じやすいという報告が胸部疾患関連誌「Chest」11月号に掲載された。
イタリアの研究者らは、職業性喘息が疑われる美容師47人に対し、アレルギー検査、肺機能検査、特別な吸入誘発試験を行った。被験者は、脱色剤に含まれる過硫酸塩に平均で7年間曝露されていた。
その結果、半数以上(51%)が職業性喘息と診断され、うち87.5%が過硫酸塩への曝露がその原因とされた。他にはカラーリング剤(8.3%)やラテックス(4.2%)が原因だった。54%が鼻炎と診断され、その85%近くは過硫酸塩が原因だった。36%は職業性皮膚炎と診断された。
過硫酸塩が原因の職業性喘息と診断された美容師は、長年脱色剤に曝露されており、曝露開始から喘息発症までには長期間かかっていた。