慢性疲労症候群の原因をつかむ手掛かり
慢性疲労症候群(CFS)の原因は長い間明らかではなかったが、神経学的疾患として合理的に説明されるものであるとする国際研究の結果が、医学誌「BMC Neurology」12月1日号に掲載された。
米ジョージタウン大学プロテオミクス研究所リウマチ・免疫・アレルギー科のJames N Baraniuk氏をはじめとする米国およびイタリアの研究者らは、CFSの患者の脊髄液を検討した結果、健常者にはみられない16種類の蛋白(たんぱく)質を確認した。このうち5種類は、今回検討の対象としたCFS患者全例に認められた。
その多くは、蛋白質の折りたたみやさまざまな神経学的症候群の発症に関与するものであることがわかっており、この一連の蛋白質からCFSの原因について多くの情報が得られるほか、患者を洗い出すための指標として用いることができると考えられる。
Baraniuk氏らは「今回の研究結果は、CFSと関連諸症状が合理的に説明できる医学的な症状であるかを論議するにあたり、CSFが神経学的疾患であることを示す客観的な証拠を初めて提示したものである」としている。