歯がなくなると心臓病が多い
歯の喪失と心臓病に強い関連性があるという研究が、米医学誌「American Journal of Preventive Medicine」2005年12月号に掲載された。
40歳以上の米国成人約4万2,000人を調べたところ、歯を1本も失っていない人で心臓病があるのは4.7%、1〜5本の歯の喪失だと5.7%、6〜31本喪失だと7.5%、歯が1本もないと8.5%だったという。
研究を行った米国疾病管理センター(CDC)のCatherine Okoro博士は、この結果は、心臓によい生活習慣や心血管系疾患の危険因子(リスクファクター)の管理および口腔の健康維持についての健康促進カウンセリングの重要性を示すと述べている。
過去の研究でも、歯周病、歯の喪失と動脈硬化症や心臓発作との関連が示されていた。歯の喪失も心臓病も、一般集団で普通にみられるものなので重要だとOkoro博士は述べる。
ただし、この結果の解釈には注意が必要で、米ノースカロライナ大学のJames Beck博士は「口腔の状態が悪いと心血管系リスクが高くなるとは断言できない、と著者が指摘している点を理解する必要がある。この2つの状態が関連していることがわかったにすぎない」と警告している。