嗅覚と味覚の異常
嗅覚や味覚は生活に楽しみを添えるものであり、これらが阻害されると生活が味気ないものになる。高齢者が何らかの疾患を来すと、特に食欲が損なわれ、社交性が低下する傾向にある。
嗅覚が最も正確な年齢は30〜60歳代であり、その後低下することが科学的に明らかにされている。年齢に関係なく概ね男性よりも女性の方が、香りを正確に嗅ぎ分けることができる。
米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会(AAOHNS)は、嗅覚ないし味覚に支障を感じた場合には、その状態を明らかにし記録しておくことを勧めている。
最初に症状を自覚したのはいつか。その時どこか身体の具合が悪かったか、けがをしていたかどうか。アレルギー症状を来す可能性のある大気汚染物質、花粉、動物の羽毛や上皮、塵などに触れたり吸い込んだりしたかどうか。
耳鼻咽喉科の医師を受診する際に、この記録を持参するよう勧めている。嗅覚障害も味覚障害もその多くが可逆性(回復可能)である。