アレルギー性鼻炎の治療は市販薬でも十分
アレルギー性鼻炎には安価な市販薬で十分効果のあることが、米医学誌「Archives of Otolaryngology - Head and Neck Surgery」2月号掲載の米シカゴ大学(イリノイ州)の研究で明らかになった。枯草熱(花粉アレルギー)に対し、ほとんどの薬局で入手可能なうっ血除去薬Sudafed 24 Hour(※日本でも同種の市販薬、塩酸プソイドエフェドリンが入手可能)を用いた治療で、4倍の価格の処方薬シングレアと同等の効果が認められた。
ブタクサの季節に枯草熱に罹患した成人58人を対象に行った研究では、30人が処方薬のモンテルカストナトリウム(商品名:シングレア)1日10mg投与群に、28人が塩酸プソイドエフェドリン(商品名:Sudafed 24 Hour)1日240mg投与群に割り付けられた。薬剤価格は、プソイドエフェドリンは1日約93円、モンテルカストは1日約371円。
研究報告では、Sudafedは、鼻づまり、鼻水、くしゃみ、かゆみなどのアレルギー性鼻炎の症状の緩和に効果があるだけでなく、安価で、特に付随する副作用もないことから、患者の生活の質(QOL)も向上させるとしている。
研究責任者で同大外科学助教授のFuad Baroody博士は「我々は、プソイドエフェドリンに睡眠阻害作用の可能性のあることから、モンテルカストがより有効だと予想していたが、双方を直接比較すると、研究で用いた投与用量で事実上同等の効果が認められた」と述べている。
研究は、シングレアの製造メーカーであるメルク社の一部資金提供を受け実施された。