腸洗浄剤が慢性腎不全の原因に
ワシントンD.C.を拠点とする米国の消費者擁護団体Public Citizenによると、大腸内視鏡検査の前処置に用いられる腸洗浄剤と慢性腎不全との間に関連性がみられるという。同グループのウェブサイトWorstPills.orgに、医学誌「Journal of the American Society of Nephrology」に掲載された最新の研究が引用されている。
この研究は、米コロンビア大学(ニューヨーク)内科外科学部の研究者らが2000年1月から2004年12月の間に受け付けた腎生検を調べたもので、その結果、腎損傷とリン酸塩毒性とが同時に認められる患者が31人いた。このうち20人が大腸内視鏡検査の前に、リン酸ナトリウム溶液を経口摂取していた。
リン酸ナトリウムが含まれる腸洗浄剤の使用によって慢性腎不全になる場合の因子としては、水分不足、高血圧の既往のほか、イブプロフェンやCelebrexのような非ステロイド性抗炎症薬やCox-2阻害薬の使用などが挙げられている(編集部注=日本国内未承認薬は英文表記)。
Public Citizenによると、一般的な腸洗浄剤でリン酸ナトリウムを含むものには、処方薬の経口錠剤Visicolおよび非処方薬のFleet Phospho-sodaがあるという。