野菜のパワーで免疫力を高めよう
エイズ、ガン、アレルギー、さらに結核が広がりを見せるなど、免疫の低下や異常が関係していると思われる病気は増えるばかり。そんななか、注目を浴びているのが野菜のパワーです。特にガン細胞を抑える、免疫力を高めるといった働きは、日本だけでなくアメリカでも研究、実証されているほど。これから大地の恵みがより美味しくなる季節、野菜の力を今一度再認識してみませんか?
万が一、免疫力がなかったら…
私たちの体には予め、ウイルスや細菌、バクテリアといった外敵から身を守るための防衛機能が備わっています。これが免疫力です。例えば、病原菌が肌に接触したり、体内に侵入しても、ほとんどの場合大事に至らないのは、皮膚や粘膜、腸、血管、リンパ節など、体のいたるところで免疫細胞が働いて、しっかりガードしてくれているから。万が一、免疫力が働かなければ、私たちの体は無防備状態。すぐに病原菌に感染して、大きなダメージを受けることになります。エイズをはじめ、アレルギー、じんましん、リウマチなども免疫力の低下や異常によって起こる病気の一つ。もともと体に備わっているものだからといって、軽視できないのが免疫力なのです。
健康と密接な関係にある免疫細胞の働き
免疫力のもとになる免疫細胞は、骨髄で作られる白血球の一種。5つのタイプがあり、それぞれ連携しながら外敵をやっつけています。その働きを見てみると…。
まず、細胞や微生物などの外敵が侵入してくると、体内を巡回している「顆粒球」と「マクロファージ」がいち早く見つけて破壊します。ところが相手が強いウイルスとみるや否や、「マクロファージ」はリンパ球の「B細胞」と「T細胞」に応援を要請。抗体のもととなる病原体の情報を「B細胞」に与えます。こうして得たデータをもとに「B細胞」は「T細胞」と組んで感染細胞に反撃を開始するのです。また、免疫細胞の中でも最強といわれるNK(ナチュラルキラー)細胞は、ガン化した細胞を攻撃するのが主な仕事。これら5つの細胞が一つ欠けただけでも体にとっては一大事。免疫細胞は、私たちの健康に関わる重要な働きをしているのです。
何より食事が基本!免疫力を高める生活術
免疫細胞のパワーは一定ではなく、年齢によって大きく変わってきます。ある調査によれば、もっとも免疫力が高いのは20歳前後。ところが30歳半ばになると、その半分ほどになってしまうそうです。また、最近、若い人の間で結核が流行しはじめているなど、年齢にかかわらず現代人の免疫力は全体的に低下しているという気になるデータもあります。それだけに、自分自身の体のコンディションには日頃から注意を払っておきたいものです。
免疫力を高める方法はいろいろありますが、まず実践したいのが、適度な運動
と充分な睡眠。さらに、ストレスや肉体的な疲労を蓄積しないことも大切です。また、何より心がけたいのが毎日の食事です。免疫力の強弱は食品によって大きく左右されるだけに、野菜を取り入れた料理など、ファーストフードに頼らない食習慣を身につけましょう。
体のSOSを見逃すな!
こんな症状が出はじめたら、免疫力が低下しているのかも…。体が発信するSOSを見逃さないで!
●口内炎になりやすい
●下痢になりやすい
●体がだるい、疲れやすい
ほかに風邪を引きやすい、傷が治りにくい、皮膚がカサカサするといった症状も要注意。便秘や冷え性、肌荒れも、免疫力が関係しているといわれています。