「痴呆を防ぐためのライフスタイル」
昨今のニュースや新聞では、高齢社会の問題が取り沙汰されています。どうやって楽しく穏やかな熟年時代を迎えるか、上手な年の取り方とはどのようなものがよいのでしょうか? この高齢社会において、痴呆を取り巻く話は悲惨な場合が少なくありません。充実した熟年時代を過ごすためのポイントとして今回は、痴呆を防ぐためのライフスタイルについてお話しします。
痴呆を防ぐライフスタイルとは?
ご家庭の食事も洋食が多くなって、お肉が食卓にのぼらない日はない昨今。しかし脂っこい肉類や塩分の多い食生活は、高血圧や高脂血症などの生活習慣病をつくります。これらは痴呆の危険要因となります。
したがって、洋食より和食、そして食塩を少なめにした味つけが、痴呆を防ぐという意味では理想です。ラーメンのスープ、塩分の多いハム、蒲鉾、漬け物、佃煮などは控えめに。タンパク質の摂取は欠かせませんが、脂肪の多いお肉よりも、魚や大豆製品などから摂ることをお奨めします。緑黄色野菜、海草、魚介類などからミネラルやビタミンを摂ることも大切です。
嗜好品の類もお好きな方が多いかとは思いますが、タバコは吸わないこと、アルコール類は適量、飲み過ぎないことなどをお奨めします。
身体の健康保持、体調を崩さないように
みなさんご存知のように、年を取ると体力はどんどん落ちていくことになります。いろいろな器官・機能はすり減っていき、支障が出てきます。楽しい熟年時代のためには身体の健康も非常に大切なことです。
熟年時代の健康の保持には、いくつかのポイントがあります。まず、若いころより疲れやすくなった身体ですから、その疲れを翌日にもちこさないように、十分な休息と睡眠を取ることです。
いつも早め早めに医師の診療を受けることも重要です。特に高血圧は、痴呆を起こす原因である脳血管障害の前兆と考えて、早めに診療を受けて適切な対応をしておくようにしましょう。
肥満は大敵です。肥満を防ぐために全身を動かす運動の習慣をもちましょう。歩くことが良いと思います。ブラブラ歩きではなく、歩幅を普段の1・5倍、両手をさっそうと動かして歩きます。午前と午後、20〜30 分くらいが理想です。
ちょっと意外かもしれませんが、転ばないことにも気をつけましょう。若いころは歩いて転んでも大した怪我にはなりませんが、年を取ってからの転倒は骨折などの大怪我になることがあります。入院や手術などの治療は、強いストレスになって痴呆を招きやすくなります。
前向きな心をもって生活をしましょう。
人間は年を取ると保守的になりがちです。興味の範囲も狭くなってきます。そして無気力になりやすくもありますが、そうではなくいろいろなことに関心を持ちたいものです。例えば、本を読むこと、文章を書くこと、俳句や和歌などをつくること、音楽を聴くことと、絵を描くことなどです。何かを作ること、創造の喜びをもつことは、その人の心を豊かに養うことになります。そして、いつも明るい気持ちで日々を過ごしましょう。そのためには、何か困ったことが起きた場合に相談のできる家族や友人をもっていることが必要です。明るい気持ちで笑いを忘れない前向きのライフスタイルは、単調になりがちな熟年時代を豊かにするはずです。