健康は幼い頃からの食習慣で
がんを例に考えると、その原因の一つは遺伝子として受け継いだ先天的な要因です。しかし、より大きな原因は後天的要素、つまり環境です。産業の発展に伴って、環境の汚染による健康被害が急増しました。そして、最悪の発がん物質はたばこです。
食生活や喫煙習慣の改善だけで、がんや生活習慣病の70%は予防できると言われています。ただし、病気を予防し健康を維持するためには、幼い頃からの食品習慣が大切です。
日本には非常によい食習慣があります。和食は低脂肪で、少しずついろいろなものを食べますね。いま、米国では毎日最低12種類の野菜・果物を摂ることが推奨されています。いろいろなビタミンや抗酸化成分などを摂取するためです。病気の原因となる遺伝子、環境要因は実に多様で、個人差もあります。特定の食品に頼るのではなく、バランスのとれた多種類の食品を食べることによって、総合的に健康が増進するのではないでしょうか。これは漢方薬に多種類の成分が入っていることとも共通しています。