40代は孤独
成人の3分の1以上は孤独を感じており、特に40歳代でその傾向が強いことが、米医学誌「Journal of Clinical Nursing」掲載の研究で明らかにされた。
英国とオーストラリアの研究グループは、セントラル・クィーンズランド州(オーストラリア)の成人1,289人を対象に30分の電話インタビューを実施。調査の結果、成人の35%が孤独感をもっており、そのレベルは20代で上昇し始め、40〜49歳でピークに達することが明らかになった。50歳以上ではレベルが最も低かった。
信仰心が強い人は、特別な信仰を持たない人に比較して孤独感のレベルが低いことがうかがわれた。女性は比較的信仰心が強いといわれ、このことが男性に比べ女性では孤独感がより低いことを説明している。また、退職した人より失職中の人で孤独感が強く、世帯収入が低い人ほど強く感じていた。孤独感と現住所の在住期間との間に有意な関係は認められなかった。
研究著者で英ダンディ大学(スコットランド)研究員教授のWilliam Lauder氏は「孤独感が心臓病やうつ病などの疾患や、家庭内暴力など他の問題のリスクを上昇させることを考えれば、その原因を理解するのは非常に重要だ。今回の調査結果は、退職で社会的接触が減少し、年齢とともに孤独感が増すというこれまでの見解に反するものだ」と述べている。