使用頻度の高い睡眠薬Ambienが夢遊病の原因に
米国で最もよく処方される睡眠薬Ambien(一般名:酒石酸ゾルピデム、日本国内での商品名:マイスリー)によって、睡眠時遊行症(夢遊病)および異常行動の可能性があることを米紙Washington Postが報じた。睡眠中の飲食、電話、万引き、車の運転など、時に危険な行動もみられ、目が覚めたときはこのような行動の記憶が全くない。
決定的ではないものの、Ambienとこのような症例との関連を示す報告が増えているという。医学誌にもいくつかの症例が掲載されている。米食品医薬品局(FDA)に報告された夢遊病発症例は、ほかの睡眠薬によるものよりも、Ambienによるものが圧倒的に多いという。
米メイヨークリニック睡眠障害センターのTimothy Morgenthaler氏は、Ambien服用後の夢遊病や睡眠中の飲食の症例を数多く見ており、「実際にこのような現象があることに間違いはないと思う」と述べている。
Ambienを製造しているフランスのSanofi-Aventis(サノフィ・アベンティス)社は、夢遊病およびこれに類する症状はまれな副作用であることがわかっており、すべて表示済みであるとの声明を発表している。