「安らかな」睡眠のために
ぐっすり眠れた翌朝は、心身の疲れがとれて気分爽快、食欲もあって、仕事や家事への意欲もわいてきますね。でも、健康的な眠りができていない人が、意外と多いのが現状。安らかな睡眠は、健康で活動的な日々の基本。不眠や目覚めの不快さを憂える前に、あなたの睡眠をもう一度見つめ直してみましょう。
忙しすぎる現代人、5人に1人は不眠症?
24時間社会、生活スタイルの急激な変化など、大きく変わる生活環境が、睡眠を取り巻く状況を大きく変えました。厚生労働省の調査でも、睡眠に関して問題がある人は19.6%、長期の不眠に悩んでいる人は11.7%もいるそうです。また、保険福祉動向の調査によると、ぐっすり眠れなくて休養がとれないという人も、19.1%もいます。その理由として、忙しくて睡眠時間が少ないというのが47.2%。精神的ストレスも15.6%。ストレスがこうじて不眠に陥っている人もたくさんいます。あなたはどうですか?
眠れない。眠ったのにすっきりしないのは何故?
ふとんに入ってもなかなか寝つかれない、途中で何度も目が覚める、十分眠っているはずなのに眠気がとれない…。不眠症にもいろいろな症状があります。そしてその原因もさまざま。悩みごとがあって神経がイラだっていたり、就寝時間がまちまちで睡眠習慣が不規則だったり、「眠らなくては」と意識しすぎて不眠になるケースもあります。快適な睡眠をえるためには、できるだけ毎日の行動のリズムを整えて、睡眠をうながすようにしましょう。無理に眠ろうとせず眠くなるのを待つ、また適度な運動で眠りを深めるのも方法。毎日決まった時間に寝て起きる、朝起きたら朝日を浴びたり新鮮な空気を吸い込んで目覚めをすっきりさせるのも、快適な睡眠、すっきりした目覚めにつながります。
寝る子は育つ。成長と休息に欠かせない睡眠。
睡眠は、脳や肉体を休ませるためになくてはならない大切なもの。体の疲労はリラックスして体を休めれば多少は回復できますが、大脳は知的活動をおこなっているため、起きていると休息することができません。睡眠は脳を休息させるためのものといっても過言ではありません。また、脳が眠ると成長ホルモンが分泌されます。細胞の新陳代謝に欠かせないこのホルモンは、筋肉や骨を成長させたり、傷ついた体を修復する働きがあります。眠らなくては健康は保てないというわけですね。
長さよりも質を重視したい睡眠時間。
一般に睡眠時間は8時間といわれていますが、理想の睡眠時間はかなり個人差があります。自分のペースに合わせて眠るとよいでしょう。長さよりも大切なのは眠りの“質”。ぐっすり眠ったという実感があり、すっきりとした目覚めができるかどうかは、脳をしっかり休めることができたかどうかにかかっています。そのための眠りの環境づくりにも気を配りましょう。理想的な寝具は、柔らかくて軽い掛けふとん、適度な硬さの敷きふとん、体に合った枕。素材や肌触りにもこだわって選びたいものです。
眠りのサイクルをつかんで目覚めスッキリ。
眠りには、体は深く眠っているのに脳が起きている浅い眠りのレム睡眠と、脳も体も眠っている深い眠りのノンレム睡眠があります。眠りに就くとまずノンレム睡眠に入り、次にレム睡眠に。約90分周期で4〜5回繰り返されます。レム睡眠は明け方に多く、この時に起きると目覚めはすっきり。また居眠りはほとんどが瞬時に深い眠りに陥るノンレム睡眠のため、脳を休められます。このサイクルをうまく利用して、安眠のコツをつかみましょう。